なぜ固まらない?レシピ通りでもチョコレートが固まらない原因

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チョコレートが固まらない…レシピを忠実に守ってもなぜ失敗するのでしょうか?

「バレンタインデーに向けて、自宅でチョコレートを手作りしよう!」そう意気込んでも、意外と簡単に思えるチョコレート作りが思い通りにいかないことも。スポンジケーキのように焼く必要はなく、泡を気にすることもありません。

にもかかわらず、「なぜか固まらない…レシピ通りに作ったのに、どうして?」という悩みが生じます。

チョコレートは冷えれば固まると一般に考えられがちですが、固まらない時があります。レシピには記載されていない、失敗する原因について深掘りしてみましょう。

チョコレートが固まらない一つの原因:テンパリング不成功

チョコレートを溶かし、型に注いで冷ますだけでは、チョコレートは確かに固まります。しかし、その結果得られるのは、口どけや見た目が良くないチョコレートです。

テンパリングを施したチョコレートは、美しい光沢とパキッとした心地良い食感を持ちます。一方で、ただ単に冷やして固めたチョコレートは、見た目に光沢がなく、口に残る感触が悪い傾向があります。

お店で見かけるような光沢のあるチョコレートを自宅で作るためには、テンパリングという手順を踏む必要があります。この工程では、チョコレートの量にも注意が必要で、適切に固めるためには最低でも200〜300gが望ましいとされています。

テンパリングは、チョコレートを一定の温度に上げたり下げたりして調整する技術です。この手順は、書面上では簡単そうに見えますが、実際には非常に繊細な作業が求められます。

  1. チョコレートを40〜50度の湯煎で溶かし、ムラなく完全に溶解させます。
  2. チョコレートを27〜28度まで冷ます必要があります(チョコレートの種類によっては微妙に温度が異なります)。
  3. その後、再び湯煎で31〜32度まで温度を上げます(これもチョコレートの種類によって若干の違いがあります)。

このように、テンパリングは簡単にはいかない技術であり、温度調整を間違えるとチョコレートは固まりません。何度も挑戦して、その感覚を掴むことが大切です。

また、ビターチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートといった各種チョコレートによって、テンパリング時の理想的な温度設定には微妙な差異があります。

チョコレートが固まらない原因②使用するチョコレートの品質

使用しているチョコレートの種類は何ですか?チョコレートにもさまざまな品質と種類があります。

製菓用チョコレート、クーベルチュールチョコレート、スイートチョコレートなど、製菓に適したチョコレートを選択することが重要です。

市販の板チョコレートやガナッシュ入りのチョコレートなどは、カカオ以外の成分(乳成分や植物油脂など)が多く含まれているため、うまく固まらないことがあります。

ミルクチョコレートやホワイトチョコレートは乳成分が多く含まれているため、初心者にはビターチョコレートの使用がおすすめです。

チョコレートが固まらない原因③材料の分量ミス

生チョコやガナッシュを作る際は、チョコレートと生クリームなどの乳製品を組み合わせますが、正確な分量を量ることが大切です。

お菓子作りでは、分量が少しでも異なると全く違う結果になることがあります。料理とは異なり、固まらないからといって後から足したりすることは難しいです。

一般的な目安は、チョコレート2:生クリーム1の割合です。

チョコレートが固まらない原因④水分の混入

Delicious chocolate ganache. Hot chocolate.

意外にも、チョコレート作りで困るのが水分の混入です。チョコレートにとって、水は固まりにくくさせる「魔の手」のような存在です。

湯煎や氷水など水を使用する際には特に注意が必要です。混ぜる時やボウルを動かす際に、隙間から水が入らないよう布巾でボウルの底を拭いたり、湯煎する際はチョコレートを入れるボウルと湯煎用のボウルが密着するよう同じサイズを選ぶなどの工夫が必要です。

水が跳ねたり、手についた水分が混入すると、チョコレートが適切に固まらない原因になります。また、固まったとしても、カカオの油脂と水が反応して分離したり、白い模様(ブルーム)が出るなど、品質が落ちる恐れがあります。

生チョコが固まらない原因①レシピの誤り

ハードルが高いボンボンショコラに代わって生チョコを選ぶ人は多いですが、作ってみてもなかなか固まらないという悩みを抱えたことはありませんか?原因は分量の誤りや水分の混入、チョコレートの品質など多岐にわたりますが、まず確認すべきはレシピの配合の正確さです。

スマートフォンで「生チョコ レシピ」と検索すると、数多くのレシピがヒットします。特に、クックパッドのように誰でもレシピを投稿できるサイトでは、出来栄えに大きな差があることも。

基本的にチョコレート2:生クリーム1の割合が一般的ですが、それから大きく異なる配合のレシピは避けた方が無難です。

生チョコが固まらない原因②カカオ分と生クリームの脂肪分の違い

レシピを見ていて「あれ?」と疑問に思うことはありませんか?

「チョコレート」や「生クリーム」とだけ記載されているレシピが多く、それがビターチョコレートなのかミルクチョコレートなのか、また生クリームがどの乳脂肪分を指しているのか、植物性でも良いのかなど、不明瞭な点が多いものです。

使用する材料の種類や脂肪分のパーセンテージが変われば、仕上がりも変わってきます。レシピが具体的な種類を指定していない場合は、基本的に製菓用のビターまたはミルクチョコレート、動物性の生クリームを選ぶと良いでしょう。

カカオ分や乳脂肪分が多ければ固まりやすくなりますが、逆に固すぎる可能性もあるので注意が必要です。実際に2:1の割合で試作し、状況を見ながら調整していくことをおすすめします。

固まらない生チョコのリメイク方法

もしも作った生チョコが固まらなかったら、どのように対処すれば良いでしょうか?

失敗したとしても、使われているのはチョコレートと乳製品です。そのため、正確な分量を気にせずに活用できる方法として、ソースやショコラショーにリメイクすることがおすすめです。

もちろん、追加でチョコレートを加えてもう一度挑戦する方法もありますが、その場合は分量の誤りによってさらに固まり過ぎるなどの失敗を避けるためにも注意が必要です。

まとめ

バレンタインが近づくと、義理チョコ、友チョコ、本命チョコといった様々なチョコレートを作る機会が増えます。ただ単に固めただけのチョコレートと、テンパリングを施したチョコレートでは、仕上がりに大きな違いがあります。

突然固まらない問題に直面するよりも、事前に練習を重ねておくことが大切です。今回の内容が皆さんのお役に立てれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。

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