日本の伝統的な食材である「芋がら」について、皆さんはどれほどご存じでしょうか？この乾燥野菜は、意外にもスーパーの野菜売り場などで控えめに販売されています。
筆者は以前、老人ホームで勤務していた際、芋がらの味噌汁を初めて味わい、その独特な存在に気づきました。
今回は、そんな歴史ある「芋がら」を深掘りし、そのあく抜きの重要性や、様々な使い方を紹介していきたいと思います。皆さんの日常の食生活に新たな発見となることを願っています。
- 芋がらとは何か
- あく抜きをしないとどうなるか
- 正しい芋がらのあく抜き方法
- 芋がらの風味に関する口コミ
- 芋がらを活用したレシピ3選
芋がらの基本情報
最初に、「芋がら」の基本について解説します。
芋がらの詳細
芋がらは、サトイモ科の植物であり、特に赤紫色の種類が食用として人気があります。この乾燥野菜は、里芋の葉や茎の外皮を剥いた後、乾燥させて作られます。
生の状態では「ずいき」と称されることもあるほか、「芋がら」という名前で広く知られています。地域によっては「ほしずいき」や「割菜」とも呼ばれ、日本全国で様々な名称が存在します。
芋がらの歴史は古く、戦国時代には戦時食としても用いられていました。現代では、その保存性の高さから常備菜としても重宝されています。
芋がらの特徴と栄養価
芋がらは、スポンジのような質感を持つ茎が特徴で、独特の柔らかさとシャキッとした食感が楽しめます。汁物や煮物、酢の物、和え物など、様々な料理に使うことができ、汁気を良く吸い込む性質を持っています。
また、芋がらは栄養価が高いことでも知られており、100g当たりの茹でたものはわずか9kcalと非常にヘルシーです。
さらに、カリウム、マンガン、カルシウム、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれているため、バランスの良い食事に取り入れるのに最適です。
芋がらの購入先
芋がらの入手は、以下の場所で可能です。
- 一般的なスーパーマーケット
- 業務用スーパーマーケット
- 百貨店
- 健康食品店
芋がらをあく抜きしないとどうなるのか
芋がらは特有の「えぐみ」を持つため、適切なあく抜きが重要です。では、あく抜きを怠るとどうなるのでしょうか。
未あく抜きの芋がらの影響
芋がら、つまり里芋の茎は、そのまま食べると口の中で不快な刺激を感じることがあります。これは里芋に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶が原因で、この刺激により喉がイガイガしたり、舌にチクチクとした感覚が生じることがあります。
素手で里芋を扱った経験がある人は、この刺激が手にも現れるかゆみとして経験しているかもしれません。芋がらを適切にあく抜きしないと、料理の風味が損なわれるだけでなく、食べた際に不快な体験をすることになります。
芋がらのあく抜きの方法
芋がらはあく抜きが必要な食材ですが、その方法は決して難しいものではありません。
芋がらの基本的なあく抜き方法
芋がらのあく抜きは、以下の手順で簡単に行うことができます。
まず、芋がらを水で洗い、たっぷりの水に約10分間浸します。
次に、水を切り、鍋に入れて水をかぶるくらいまで加え、火にかけます。沸騰したら5～10分茹で、あくを取り除きます。
最後に、茹でた芋がらをお湯から取り出し、水でさっと洗い流した後、水気を軽く絞ります。これで芋がらはあく抜き完了で、様々な料理に使用することができます。
重曹を使用したあく抜き方法
伝統的な山菜のあく抜きにも使われる重曹は、芋がらのあく抜きにも有効です。重曹はアルカリ性で、えぐみを中和する効果があります。
この方法では、皮を剥いた芋がらを水にさらした後、少量の重曹を加えたお湯で茹でるだけです。これにより、芋がらの繊維質が柔らかくなり、えぐみも和らぎます。
芋がらの味の口コミ
多くの人には馴染みの薄い芋がらですが、一度食べてみるとその独特の風味と食感に驚かされることでしょう。
芋がらを使った料理の口コミ
芋がらを使用した料理には、多様な口コミが寄せられています。以下は、SNSで見かけた芋がらの料理に関する実際のユーザーのコメントです。
- 「今日のおかずに、芋がらの煮物を作りました。シンプルですが、味わい深く大満足です！」
- 「芋がらのお味噌汁を試してみたら、最高に美味しかったです。和食の定番にしたいくらいです！」
- 「地元の朝市で芋がらを発見！戦国時代の料理に使われていたと聞いて感動しました。どんな料理にも合いそうですね。」
これらの口コミからは、芋がらが和食のさまざまなレシピで楽しまれている様子が伺えます。煮物や味噌汁、さらには炒め物など、芋がらはそのユニークな味と食感で、伝統的な日本の料理を一層引き立てる食材であることがわかります。
芋がらの活用アレンジ3選
健康に良く、様々な料理に活用できる芋がら。以下に、その魅力を最大限引き出す簡単で美味しいレシピを3つご紹介します。
芋がらの味噌汁
芋がらを使った味噌汁は、その独特の食感と風味を楽しめる一品です。
【芋がらの味噌汁の作り方】
- 一口大に切った芋がらを水かぬるま湯に30分ほど浸し、膨らむまで待ちます。
- よく揉んで洗い、十分にあく抜きをします。水が濁らなくなるまで続け、熱湯でさらにあく抜きをするとより良いです。
- 粉末だしと好みの具材を加えて煮込み、最後に味噌で味を調えれば完成です。
芋がらの煮付け
和食の定番、芋がらの煮付けは、そのシンプルな美味しさが魅力です。
【芋がらの煮付けの作り方】
- たっぷりの水で1時間ほど芋がらを戻し、太さに応じて時間を調整します。
- よく揉んであく抜きをし、芋がらと他の具材を切り揃えます。
- フライパンに油を熱し、具材を炒めた後、水、みりん、酒を加えて煮ます。
- 甘みを加えた後、醤油で味付けし、落とし蓋をしてさらに煮込みます。
- 水分を飛ばしながら仕上げます。
芋がらとメンマとザーサイの炒め物
エキゾチックな味わいの芋がらを活用した炒め物です。
【芋がらとメンマとザーサイの炒め物の作り方】
- 芋がらを水で戻し、3回茹でて水洗いを繰り返します。
- こんにゃく、椎茸、戻した芋がらを用意します。
- フライパンにごま油を熱し、具材を炒めます。
- メンマ、ザーサイを加えて炒め、料理酒、みりん、めんつゆで味付けします。
- 汁気が少なくなるまで煮詰めたら、ごまを加えて完成です。
まとめ
この記事を通じて、芋がらの様々な側面と活用方法をご紹介しました。芋がらは、里芋の茎から作られた乾燥野菜で、その歴史は戦国時代にまで遡ります。特有の食感と、汁物や煮物に適した特性があります。
また、繊維質やミネラルが豊富で、健康にも良い食材です。しかし、里芋の茎を原料としているため、適切なアク抜きが必須です。水に長時間浸す、茹でる、重曹を用いるなど、様々な方法でアク抜きが可能です。
また、スーパーや道の駅、オンラインショップなどで手に入れることができます。この記事で紹介したレシピをぜひ試してみてください。芋がらの新たな可能性を発見する機会となるでしょう。
