なぜ大根は苦いの?その苦味を消すコツと再利用法、そして美味しい選び方

食材

おでんや煮物に欠かせない「大根」ですが、時々「苦い」と感じることがありますよね。
選んだ大根が見た目に美味しそうでも、料理してみると予想外の苦味に戸惑うことも。なぜそんなことが起きるのでしょうか。

今回は、「大根」が「苦い」理由と、その苦味を上手に取り除く方法をお伝えします。
さらに、苦くなった大根を美味しくリメイクする方法や、上手な料理のコツ、そして美味しい大根の選び方まで、詳しくご紹介していきましょう。

煮物で大根が苦くなる理由とは?

大根、それはおでんや煮物には欠かせない存在ですよね。特に煮物にした時のジューシーさは格別です。

でも、作る度に同じ手順なのに、なんでかたまに苦くなってしまうことがあります。苦いと家族からも敬遠されがち。特に子供たちは口にすらしないですよね。

そんな「大根が苦くなる」のは一体何故なのでしょうか?

大根が苦くなる原因は、以下のようになります。

  • 旬ではない時期
  • アクの影響
  • 適さない部位を使用
  • 皮を薄く剥きすぎ

それでは、これらの点について詳しく見ていきましょう。

★ 旬ではない時期

「大根」は、秋から冬にかけてが旬です。寒い季節に楽しむ大根の煮物は、まさに絶品。

旬を迎える秋から冬の「冬大根」は、寒さによって甘みが増します。これは、寒さから身を守るために糖分が多く蓄えられるからです。また、水分が豊富で栄養価も高くなります。

そのため、寒い季節の大根は、甘くてジューシーな煮物としてお楽しみいただけます。一方、春から夏にかけての「夏大根」は、糖度が低く、苦味や辛味が目立ちます。

★ アクの影響

大根をおろした際の辛味は「イソチオシアネート」という成分によるもので、これが苦味の一因です。特に煮物で感じる苦味は、「ポリフェノール」が大きく関係しています。「ポリフェノール」は抗酸化作用がある一方で、苦味や渋みの原因ともなる成分です。

この成分は大根の筋部分に多く含まれているのです。

★ 適さない部位を使用

大根は部位によって、味や食感が変わります。葉がついている頭部分が最も甘く、真ん中部分は柔らかく甘味があります。下部分は「イソチオシアネート」の辛味成分が多いため、辛味が際立ちます。

したがって、煮物には甘くて柔らかい中心部が最適です。スーパーでは、大根を上下に切ったものがよく売られていますが、煮物用には上部を選びましょう。

★ 皮を薄く剥きすぎ

皮には「ポリフェノール」が豊富に含まれており、これが苦味の主な原因です。また、皮には「イソチオシアネート」も多く、硬い筋も集中しているため、味が染みにくくなりがちです。

以上が、煮物で大根が苦くなる原因の解説でした。冬の間は、甘みが増し美味しい冬大根が楽しめますが、春から夏にかけての大根は苦味や辛味が強く、煮物向きではありません。

苦手な大根の苦味を上手に消して、もっと美味しく楽しむコツ

春から夏にかけての大根は、時に苦いことがありますよね。でも、そんな苦い大根もちょっとした工夫で美味しく変身させる方法があるんです。
   
実は、大根の苦味の原因となる「アク」は、水に溶けやすい性質を持っています。そこで、下茹でをしてアクを抜けば、苦味をぐっと減らすことが可能になるんです。
   
特に、「米のとぎ汁」を使っての下茹でがオススメ。この方法だと、アク抜きだけでなく、大根をより白く美しく仕上げることができるのです。私自身も、この方法で苦味を感じさせない大根を作ることができています。
   
そして、もう一つのコツは、皮を少し厚めに剥くこと。これだけで、苦味がずいぶんと違ってきます。

では、「米のとぎ汁」を利用した下茹での手順をご紹介しましょう。

  1. 大根を丁寧に洗った後、皮を少し厚めに剥きます。
  2. 食べやすい大きさに切り、鍋に入れます。
  3. その鍋に米のとぎ汁を足します。
  4. 鍋を中火にかけ、沸騰したら弱火にします。
  5. 大根が透明感を帯びてきたら、火から下ろします。
    6.最後に大根を水で洗えば、下茹で完了です。

下茹でした大根は、あなた好みの味で煮込んでみてください。

特に、おでんなどの大量調理をする際には、この下茹で法が非常に役立ちますよ。「米のとぎ汁」をすでに捨ててしまった場合は、心配無用です。お米を大さじ1程度入れて茹でれば、同じ効果が得られます。
   
さらに、大根は煮るだけでなく、様々な美味しい食べ方があります。

〇 大根をステーキ風にして楽しむ方法

下茹でした大根をバターでじっくりと焼き、ガーリック醤油や甘辛い味で仕上げるのがオススメ。一味違う大根の楽しみ方ができますよ。

〇 下茹で大根のひき肉炒め

下茹でした大根をひき肉と一緒に炒めて味付けすると、また違った美味しさが。スパイシーにも、中華風にも合うので、ひき肉の種類を変えてみるのも良いですね。

細切りにした生の大根をお味噌汁に入れるのも、苦味を感じさせずに手軽に楽しめますし、市販のすき焼きのタレで炒めても絶品です。

苦みを感じた大根煮物、美味しく変身させる方法!

苦手な苦みが出てしまった大根の煮物、ただ捨ててしまうのはもったいないですよね。家族にも喜んでもらえるよう、おいしく食べられるアイデアをご提案します。

その秘訣は、なんとカレーの具として活用すること。カレーを作る際に、その煮物の大根を加えてみましょう。他の材料と一緒に煮込んだ後、カレールーを加える直前に大根を投入します。

カレーの濃厚な味わいが苦味を上手にカバーし、さらに大根のおかげでカレーがまろやかに。「カレーに大根を!?」と思うかもしれませんが、この組み合わせ、意外と美味しいんです。ぜひ一度お試しくださいね。

もちろん、生の大根や下茹でした大根を使っても、絶品カレーが作れますよ。

苦い大根と美味しい大根、見極め方とは?

リメイクのコツもお伝えしましたが、やはり最初から美味しい大根で料理したいですよね。ここでは、お買い物の際に役立つ、美味しい大根の選び方をご紹介します。

《美味しい大根の選び方》

まず、形が整っていてまっすぐな大根を選ぶことが大切です。

また、大根のひげ根がきれいに一直線に並んでいるかをチェックしましょう。完全に一直線は珍しいですが、できるだけ一直線に近いものがおすすめです。

さらに、大根の上部、つまり首の部分がしっかりと張っているものを選びましょう。なで肩のように垂れたものより、はっきりと肩が張っている大根が美味しいですよ。

大根を1本ご購入の際の保存方法も重要です。美味しく長持ちさせるためのコツをお見逃しなく。

最後に

期待して作った大根の煮物が苦かった時のガッカリ感、わかります。旬ではない時期の大根は、下茹でしてアク抜きをすることで、苦味を減らすことができます。

下茹でには、米のとぎ汁を使用するのが一般的ですが、うっかり捨ててしまった場合は生米を使ってもOKです。この方法で下茹でした大根を使って、美味しい煮物や他の料理を楽しんでくださいね。

また、今回は苦い大根の上手なリメイク法と、美味しい大根の選び方もご紹介しました。これらの情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました